国の地方統治 トップヘ
・琉球国の統治と祭祀 ・地割制度 ・土地に賦課する租税
琉球国の統治と祭祀―山原の祭祀から―(2005年7月24日)
沖縄大学(那覇市)で「琉球国の統治と祭祀」で報告。そのため、一日館を留守にする。これからレジュメの印刷でも。話の仮の骨子は以下のように・・・。限られた時間なので、その程度の内容かな。
琉球国の統治と祭祀―山原の祭祀から―
はじめに
1.祭祀と関わる役人が意味するもの
2.置県後、補償された神人
3.休息日としての祭祀の位置づけ
4.王府への貢租の仕組みと祭祀
5.年中祭祀にみる神人の祈り
6.村移動から見えてくる祭祀とノロ管轄
まとめ
国の地方統治の手段(土地制度)(2005年7月28日)
国が地方を統治する手段として土地制度(地割)がある。つまり税金を納める、税金を納めてもらう関係である。その中で税は村(ムラ)単位で納める仕組みになっている。個人の負担は、さらに村の中で定める仕組みである。村の中で年齢や男女、貧富の差や頭割りなど村によって異なっている。税を取る立場からすれば、個人が支払うの税の不足は問題にしない。個人の不払いは村の中での問題である。国に向って税不足がないように村の構成員で責任をとる。
村全体の不足分は全員で補うことになる。国へは絶対量を払えばいいことにで、大量に生産できたなら村あるいは個人に余裕がでる計算である。もちろん、台風や飢饉などがあれば反対の状況が生じる。村の人口が増えて欲しい(繁盛)との神人の祈りは、村の頭数が増えることは一人あたりの負担(税)は少なくてすむことになる。神人が村の繁盛を祈っているのは、健康祈願もあるが土地制度や税とのかかわりでの祈りでもある。
そのことを示しているのが以下の文面である。
一個人を以て納税者と為さざること。百姓地の分配は村内の協議を以て之を行ふが
故に土地に対して賦課する租税は村を以て納税者とし各個人の負担は村内に於て
更に定むる所に任せり。而して村内に滞納者あるときは結局村に於て其責任を負は
さるべからざるか故に、村は租税負担力の多少に比例して土地を分配し、又滞納者
に分配したる土地を取り上げるの権を有するの必要あり。随て冨者は多分の分配を
受けて益々富々貧者は土地の分配を受けること少きか為益々貧なるの結果を生ずる
を免れず。要するに村を以て納税義務者とするの制度は百姓地分配の制度と関連す
るものにして、共に勤勉の念を沮喪せしめ多数抑圧の原子を養成するものと謂はざる
べからず。
【土地に賦課する租税】(2009年7月22日)
「国税ノ賦課徴収方法」(土地に賦課する租税)についての項目が目にはいた。明治期、それ以前の税制について知る必要がある。税を具体的にどう納めていたのか、また誰がどう徴収していたのか。租税を滞納した場合はどう処理したのか。その責任は?など、知らないことばかり。作物の収穫時期は中南部と北部では一月ばかりのズレがある。ここに掲げてある収穫や納期は旧暦なのであろう。
・一個人を以て納税者とはなさない。
・百姓地の分配は村内の協議を以て行う。
・土地に対しての賦課する租税は村を以て納税者とする。
・各個人の負担は村内で定め、村内で定める。
・村内に滞納者がいるときは、結局村でその責任をとる。
・その為、村は租税負担力の多少に比例して土地を分配する。
・滞納者に分配した土地は取り上げる権利を有する。
・富者は多くの分配を受けるため、ますます富者となる。
・土地の分配を受けることの少ない者は益々貧する結果となる。
・村を以て納税義務者とする制度は百姓地の分配の制度(地割)と関係する。
・地割制度は勤勉の念を阻害するものである。
【地租納期】(国頭)
・麦、菜種子・・・・7月31日
・米、粟、黍・・・・・11月30日
・棕櫚縄、塩(年税)、夫役銭・・・12月28日
・大豆、小豆、白?豆・・・・・・翌年1月31日
・砂糖(現品納)・・・・・・翌年3月31日
【米雑穀収穫期節】(国頭)
米(7月) 砂糖(4月) 麦(5月) 粟(7月) 黍(7月) 下大豆(9月)
大豆(6月) 小豆(7月) 白?豆(7月) 菜種子(4月)
租税は組頭が取りまとめ、掟に納める。掟は地頭代に納める。地頭代は一間切の税額を取りまとめ金庫へ納付。現品にかかるものは村屋に集め、掟・耕作当などが付き添って県庁に送付する。金納と現品納があったことがわかる。