伊是名村(島)                        トップへ

 ・メンナー山(ヤブサス御嶽イベ)


【メンナー山】(ヤブサス御嶽イベ)(諸見)(2007年2月1日)

 諸見の後方(北側)の標高84.9mの山がメンナー山である。『琉球国由来記』(1713年)のヤブサス嶽御イベのようである。島には「島中拝所」と「公儀祈願所」と区別されていてる。諸見のヤブサス嶽御イベは島中拝所である。神名はキウノ森とあり、本島側の御嶽の記載が異なる。本島側流に言うとキウノ森が御嶽名で、ヤブサス嶽御イベは神名ということになる。メンナー山全体が御嶽(ここでいうキウノ森)でヤブサス嶽御イベ部分はイベに相当する部分と考えている。

 『伊是名村史』によると銘刈家の古い絵図に「いさす御嶽」とあり、メンナー山はイサシが古い名称ではないかとある。『琉球国由来記』のヤブサスと銘刈家の絵図のイサスは表記の違いなのであろう。

 鳥居を三つくぐると瓦屋根の建物があり、イビノメー(イビの前)にあたり、頂上部に向けて壁が開けてある。そこに石が一基置かれている。そこはイベ部へのお通しのようである。そこから小道を登っていくと頂上部手前程にサンゴ石で造られた小さな祠があり、内部は一個の石が置かれている。メンナー山(ヤブサス:イサス御嶽)は諸見の村(ムラ)の御嶽と見ることができる。諸見の集落内の尚円と関わる拝所は、公儀拝所と記されるようにクニ(国)クラスの祭祀である。それが混交した形で行われているのではないか。



        ▲二番目の鳥居          ▲三番目の鳥居の赤瓦屋根の遥拝所


 ▲頂上部に向かう小道            ▲頂上部近くにある祠