今帰仁村兼次(字誌用)メモ

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 今帰仁村字兼次の字誌の編集に向けての資料である。随意追加していきます。




         ▲兼次集落アガリバンタより

・『絵図郷村帳』(1648年)
 
  兼次は「兼城村」とある。

・『琉球国高究帳』
   兼次の村の記載なし

・『琉球国由来記』(1713年)
   以後、「兼次村」となる。


・兼次の小字

  ①北屋敷原(ムラウチ)
  ②南屋敷原(ムラウチ)
  ③福地原(フクチバル)
  ④西後原(イリクシバル)
  ⑤東後原(アガリクシバル)
  ⑥山蒲原(ヤマバンバル)
  ⑦川原(ハーバル)
  ⑧糸川原(ヒチュハー)
  ⑨前名原(メンナー)
  ⑩古島原(フルジマ)
  ⑪大道原(ウフドー)
  ⑫猪之平原(イリンピャ)
  ⑬山之堂原(ヤマンドー)



▲国頭郡今帰仁間切兼次村全図(6000の1)(土地整理期:明治36年)



村屋敷原は明治36年のl土地整理まで共有地であった(共産村落の研究)。


・兼次の御嶽

 ・今帰仁村兼次の御嶽は『琉球国由来記』(1713年)に「兼次之嶽御イベ」とある。
   (神名伝わらず)(郡巫崇所とあるが中城巫管轄の祭祀)
 ・神アシアゲとあるが神ハサーギと呼ばれる。
 ・神アシアゲでの祭祀
   ・麦稲穂祭
   ・麦稲穂大祭
   ・年浴
   ・大折目
   ・柴指
   ・芋ナイ折目
   ・大折目次日
   ・柴指次日

・兼次の年中祭祀
 
・1月1日  タティウガン(新暦)
 ・2月15日  ウマチー
 ・5月15日  フチマチー
 ・4月吉日  アブシバレー
 ・5月5日  ハーウガン
 ・5月15日  ウマチー・ウフガン
 ・6月15日  フチマチー、シチュマ
 ・7月最後の亥の日 ウフユミ(中グスクノロ参加)
 ・8月10日  ハチグヮチウガン
 ・9月15日  ウフガン
 ・9月29日  ヌルヴィチウガン
 ・12月24日 プトゥチウガン(新暦)

 8月 豊年踊り5年1回(2018年10月20日(旧9月12日)に開催する。
    明治末まで隣の諸志と合同で行っていた。

・兼次に遺る元文検地(1737~1750年)の二基の印部石(ハル石)

 
▲「ソ 加祢寸原」と「フ 加祢寸原」の印部石(上は拓本)

・兼次の御嶽(ウタキ)

 
       ▲兼次ウタキの遠景                 ▲兼次ウタキのイベ(祠) 

・兼次の神ハサギ


 兼次ムラは中城ノロの管轄である。兼次の旧集落は、かつて山手の古島原にあった。集落の移動とともに神ハサギも移動したようである。古原にハサギ跡地といわれる場所があり、拝所となっている。ハサギは集落の移動に伴って移る傾向にある。その事例の一つである。香炉は旧集落地の方に向かい、タモト木を模したコンクリートがある。コンクリートの8本の柱がある。写真は兼次の神ハサギである。



・兼次のミジグラ(水倉)

 
    ▲古島原?にあるミジグラ(水倉)
      
【口 碑】

  兼次古島の水倉は、兼次なる前地頭代諸喜田福保の祖父に当る人即ち兼次大屋子が開鑿
  したと伝ふ事である。

  右兼次大屋子は親泊村てや門の次男であったが、兄(ボープスと言われた人)が番所の吏員
  を勤め那覇で砂糖詰の勧業中辻で浪費して尠からぬ欠損欠損をしたので其の穴埋めのため
  村売されることになり、弟は兼次大屋へ金八円で下男奉公する身になった。

  彼は放浪者の兄に似ず甚だ勤勉倹素の人であったので主人人の認むる所となり遂に其の娘
  を娶はせ一家を創設させた。是れ即ち兼次なる諸喜田家の始祖である。

  彼は幼名をカマダと云ひ、位牌には兼次大屋子とあり、惣耕作当を勤めていたが、五十五歳
  で逝去した。
              (『先祖由来書並ニ系図』(てや門一門)より)


・兼次の豊年祭

 

戦後資料目録 1957(一部)

外題:諸決議録
年代:1957年一月以降
字名:兼次
法量(縦):334 (横):206 
内容:

以下の金額は軍標B円(1945年~1958年、昭和33年1958年から米ドル、昭和48年から日本円)

19561229  1229日 朝常会

評議員選出の件
売店任人前当務各団長外10名とする。
新評議員 13名
1957年度 区取締役員 □ □ □

102月29日 粉□器を買う決定致しました。 

1957年1月5日    1月5日常会に於いて

一、暴風災害農協資金について  借入者 災害に極く困って居られる方へ貸付する
一、パイン園区拂い下げについて  パイン園栽培土地のない方々に優先す 希望者名

青年団

一、学校負担金は区費に割当てして 各戸月3円とす
一、農事奨励会 1月10壱日にする組合総会□ 遅刻又は欠席者は配当金より各自50円の罰金とす
一、区予算は60,420亦とす内 負担額は50,224とす
一、一 二ヶ月分の区費、賦課は従前通り□とす

1957 1月11 朝常会に於いて

第一期作水稲苗代の件
 村の指示に準じて播種をなす 然し雨が降らなかった場合は順延する様にする

野ソ駆除の件
 水稲播種前に野ソを徹底的に駆除する。 薬品は区会計より出し日取りは当務に委任する。 当務は早目にこれを実践する。 

1957年1、2日 朝常会に於いて

一、水稲苗代の件
 雨降れば決定

1957年一、二一日
二、竹林清掃出夫 二10三日決定

三、生年祝の件
 部落民全部事務所で行う。酒肴携帯、会費30円持参。会費は記念贈呈に向ける。記念品は13祝 61以上の方に贈呈

四、焼香
 香典料は持たずに焼香する。親類は重箱を持って焼香する。

五、学校植樹の件
 旧10二月二三日竹林清掃と一緒に行う。 樹名 櫻16本、□葉木13本植付 

1957年2月13 朝常会

一、溜池当番年報 区予算 五百亦也 年報補年報参百亦は苗木所有者が負担す 当番年報 五百亦也提供両靴一足電燈一ケ

一、竹林清掃出夫 旧一月弐壱日にする 各人高 一荷づつ持参

 

一、資力等級査定員選定 3月9日朝常会

査定委員左の通りとす 
 出席 
38名 得要数 33票 無効2票

一、査定方法 見込み等級で比れを行う 

一、売店区よりの株配当金の件 


・3月23日朝常会)

 去年度一九五六年度配当金は区より増株する。 次年の区費負担金の補いにす様

一、学児奨励会の件 学児奨励会は三月廿五日午後一時開催 敬老会も今日挙行 学校に準じて賞品援興は行う。 

・5月6日 朝常会

一、育英会役員再選
一、右役員選出は前役員及び部落当務で行う
一、役員当で選出不能の場合は常会にて亘選す
 

10日育英会役員決定報告 (朝常会にて)

育英会会長 大城丹吉  副会長 諸喜田保弘  会計 
 新農道に於いての潰地は無償提供し今後の産業発展に寄興す。

一、区費未納整理は各班で行う 

月2日 朝常会

一、水稲二期作播種準備は次の日程で行う。
 □川原苗代 八月三日   道東 四日   道西上 五日   東後原 
 六日 苗代の準備作業も上から順に行い節水する様にす。

一、育英会会費として  物品で会費の足しにする(籾)   班長は4班の籾の徴収に当る 

一、1012日 朝常会

 竹林総出夫の件について  竹林夫は1010五日に決定致すことにします 

823日 朝常会 出席人員52

一、乾燥場北の溜池の件
  区産業発展と衛生面の蚊蝿の源池の為 区煙草組合の乾燥場敷地に切替する

一、育英会資金徴収の件
 籾各個 五斤以上とす  籾なき家は現斤50-以上とす  新設農道の潰地は無償提供にす 


・9月
26
日 (晝常会) 台風済んで以後

一、字内の全壊家屋の復旧奉仕作業の件
 奉仕作業は五日間続行する(日程9月28日より) 作業は部落総出夫をなす。晝食携行で罹災者に迷惑□ぐぬ様禁酒する事

一、戸籍整備事務の件

 事務執行は当務に委任す  事務雑費は個人負担とす  事務員は月当100-としす

一、2タンクより5タンク迄の水道設修について
 金□や西辻より5タンク迄の予約100米  亜鉛パイプに切替える様 議決す 各個所の字有潰地は競売して水道設修費にあてる

竹林補助金5,300亦也は全額 亜鉛パイプ購入資材代に当てる 

1012日 朝常会 出席員 51

一、フェイ台風の竹林清掃の日取の件
 竹林清掃は1010五日になす 清掃当日の竹代は2タンクから5タンク間のパイプ代に当てる

一、小中運動会に傍々水祭の件
  従来通り常会に計らなくとも水祭は運動会当日施行する
一、リバック救援物資の件
  配給の方法は各々頭数に割当て配給をなす
一、台風被害見舞金割当配給方法について 一金 1,120、-
 復旧作業に於いての大工道具又は道具の破損料に当てる  その他の残金は当務に任し作業当時の雑費に繰入れる

一、□氏の改築茅葺の件
  困窮者であり一人者である故字よりの配夫で復旧作業を決行す

10月24日 朝常会
 新農道工事長 □氏  副工事長 □氏  工事会計 □氏 右三氏を工事責任者に承認決定す
一、新農道潰地有償の件
 有償代金は区長で委員を選定す  地主と確適な代金を考慮す
一、□氏轉籍の件
  □氏を入籍なす事を承認決定す  字内法に従い誓約書を参考迄に受とる
一、第二回救援物資処分の件
  ミルク 6缶入 2箱  メリケン 1袋  米 三〇斤  豆 1袋  右援助物資は区当務に任す様承認を得る 

19571212日 朝常会
 村よりの村民税の算定は区費に50%村当局の算定額に50%を調定する様 決議す

19571226 晝常会
 区長後任選挙の件
 有払者 68名  投票数 68名  無効 3票 
   後任区長に□氏が当選す
 書記後任選挙の件
 有払者 右仝  投票数 右仝  無効 2票
  後任書記に□氏が当選す
 給仕後任選挙の件
 有払者 右仝  投票数 右仝  無効 1票 
 
後任給仕に□氏が当選す
一、詮衡委員の件
 詮衡委員は常会の承認を得へ各班より代表者一名を区長が任命す
一、出納簿検査委員の件
 常会の承認を得先輩の任命を持って左の委員を可決す
 委員 □  □  □  □  □  以上5名とす

【1950から1958年の資料目録】
・民有林野造林実行書提出について
・堆肥舎世知事業完了届提出について
・堆肥舎設置補助起因交付申請書提出について
・事業完了届
・死亡届
・海外在留同胞数調査について
・出生届
・農業会員名簿の件
・家督相続
・荒蕪地解消対策補助金交付申請書の件

・種籾交換申込の件
・離婚届・被扶助世帯準扶助世帯巣報告について
・普通製縄機購入補助金交付申請書
・普通製縄機購入申込について
・甘蔗夏植共進会申込の件

・家畜共進会申込の件
・甘蔗共進会出品申込の件
・水稲第二期作共進会出品の件
・荒蕪地解消対策補助金交付申請書
・事業計画書(七件)
・海外引揚者調査の件
・堆肥舎設置補助金交付申請書
・パイン申請報告の件
・満州開拓及義勇隊調査の件
・苗木申込の件
・甘蔗夏植中間苗圃自家苗圃切出し報告の件
・牛籍調査報告の件
・造林報告の件
・種籾申込交換の件
・環境実態調査報告の件
・民有林野造林実行報告書
・松種子申込の件・民有林野造林地調査の件
・戸数及び人口調査の件
・新入学令児童数調査の件
・甘蔗共進会出品申込の件
・種籾交換の件
・段便所並調査の件
・個人有林部落有林並びに可動者調査の件
・身体障害者調査の件
・1954年夏植甘蔗植付面積報告
・1954、1955年度製糖 作面積報告
・旧正月用豚自家用屠殺許可申請の件
・貸借調査に関する件
・関係労務者の災害補償の処理について
・一期作種籾申込について
・水稲坪刈審査について
・被扶助者以外の困窮者数調査報告の件
次区一般未亡人名簿控
家族調査及家畜調査について
牝牛調査報告について