本部町伊野波・並里・満名
伊野波(2006.08.19メモ)
伊野波の神アサギは公民館の側から、現在地に移動したようである。殿(トゥン)と呼ばれる神家があるが、それは伊野波ノロ殿内のようである。ムックジャのユングトゥを唱える場所でもある。「神敬」の扁額が掲げられている。殿の中に三つの香炉があり、その一つに「奉寄進 咸豊九年巳未九月吉日 本部按司内 渡久地仁屋」とあり、首里に住む本部按司(あるいは按司家)と伊野波村は密接な結びつきがあったことが知れる。
また、伊野波の方々にはあまり認識されていない拝所がある。それは殿の右手にある小さな祠である。それは伊野波家の火神である。それは惣地頭火神でる。首里に住み本部(伊野波)間切の惣地頭である。伊野波村に伊野波姓が一軒もないからと誤解している話も聞かれた。それは『琉球国由来記』(1713年)の伊野波村の祭祀に惣地頭が関わっていた痕跡が、惣地頭火神の祠にみることができる。また、並里にも「本部按司」と彫られた香炉がある。それは並里は伊野波村から1666年以降に分離した村である。そのため本部按司は伊野波と並里の両村の祭祀に関わったと見てよさそうである。
▲正面の祠が殿(トゥン)(伊野波ノロ殿内) ▲殿にある「本部按司内」の香炉
▲シニグイ当日の神アサギ ▲強飯(粟のはいたおにぎり)
▲惣地頭火神とみられる祠 ▲ウシデークとムックジャの場面
伊野波・並里・満名(2006.08.18 メモ)
伊野波、並里のシニグ(シニグイ)の調査をする。芸員実習もかねている。伊野波は昼間のウガンは終わっていて(潮に合わすようだ)、その足で並里へ。並里は公民館でウガンの準備中。以下の順で同行させてもらう。
@並里公民館 ハシキ(米と粟)お神酒(ゲンマイ)などを準備
A上満名殿内の離れの拝所
B上満名殿内(火神→神棚(関帝王三人像)→位牌)
C並里神社(上の祠:ウタキ)→神アサギ内)

▲ハシキと神酒(ゲンマイ)(公民館) ▲上満名殿内の離れの拝所

▲上満名殿内で三ヶ所拝む ▲神棚の関帝王にも拝む

▲神アサギの上の方にある祠へ ▲神アサギ内でのウガン