国頭村辺野喜                             トップへ


【国頭村辺野喜】(2012年11月17日)

 国頭村辺野喜に焦点をあててみることに。各ムラ・シマの祭祀や伝承は歴史を根強く継承している。但し、その伝承が史実かどうかは別である。ムラ・シマの伝承や祭祀の中心となる一門(系統)がどこなのかで、特徴をみせている。そこで国頭村辺野喜についてみる。

 辺野喜の系統を「沖縄の風土記集」(国頭村編)で北山系が主だとある。もちろん、そこには北山系の一族の前に、元々地元と他からの系統の一族が移り住む。そこでムラの要(カナメ)となる一族が、どの系統なのか。特に祭祀に影響を及ぼしていると見られる。大半が北山系統。祭祀の中心は宮城家(ジョウメー)は中心になっているという。
   ・宮城家(ジョウ前)(北山城主の四男と結婚)
   ◎宮城姓は辺野喜の根屋
   ・山城姓北山系
   ・金城姓も北山系
   ・島袋姓は金城姓と同じ北山系
   ・大城姓は宇嘉の大城家(北山系)

   ・比嘉姓は北山系
   ・東恩納姓は首里系
   ・東江姓は伊平屋系
   ・高江洲姓は北山系
   ・山本・山川は本部町から

【琉球共産村落之研究】(田村浩著:昭和2年頃)には、13の一門が詳細に報告されている。
 一、門前(山城)  門前(村家、根神)/徳門―徳門小/栄門/竹二/吉門/アサギスヂ
   /アサギノハラ(神人)
 二、デゲンチャー(宮城) デゲンチャー(宗家)/上道/門口/六又/後/前田小/新屋小/山川
 三、シバー(宮城) シバー(宗家、神人)/上仲/神吉屋
 四、道原(宮城) 道原(宗家)/東/前田/宮城小/シリイ/浜門/新門
 五、上門(金城) 仲前(神人)/前原/上下リ口/金城/金城屋/前金城/上門(宗家)
 六、兼久 兼久(宗家)/上屋/新里屋 
 七、ハアタイ(島袋) ハアタイ(宗家)/ハアタイ小/イジュハタ/イジユハタ小/前地屋小
 八、前地(山城)(山城) 前地/前地小/前前地/前地屋小 
 九、大屋 宗家/大屋小/前血屋小/島袋屋
 十、門 門(宗家)/前門/新屋敷
 十一、道グリ 道クリ/大城屋
 十二、川端 川端(宗家)/上二
 十三、東恩納 東恩納(宗家)/前口/前口屋/寛三/・・・

 
    ▲辺野喜の現在の集落            ▲辺野喜の神アサギ(2005年)

  
  ▲辺野喜の拝所(ウガミ)の一つ  ▲創立 昭和五年二月十四日の碑   ▲昭和57年頃(「国頭の村落」)

  辺野喜にはイームイ(ウニキウタキあるいはタキサンと呼ばれる)、ウガミがある。イームイが古いウタキ、ウタキはメーソーにあり、そこもウタキやウニキウタキと呼ばれる。祭祀を行う旧家は川の右岸にある。